医療制度構造改革試案は、
(1)医療費の伸びの抑制(医療費適正化)
(2)医療保険制度体系の見直し
― の2項目で構成される。焦点となった医療費の適正化は、生活習慣病対策や平均在院日数の短縮を含む医療提供体制の改革など、各種政策の積み上げにより医療費を中長期的に適正化するとし、国が示した参酌標準に基づき都道府県ごとに「医療費適正化計画」を策定させる。
適正化計画は国の示す「指標」ごとに政策目標を立案し、実施状況を検証した上で、実績評価する。
具体的には、糖尿病、高血圧症、高脂血症の患者予備群の減少率や、がんを含めた疾病別の年間総入院日数、健診および保健指導の実施率、連携パスの普及目標、平均在院日数の短縮目標などを想定しており、それぞれを“数値化”し、定量的に検証できるようにする。そのほか地域単位でのレセプト審査や点検なども充実させる方針で、これらの計画を管理・運用するための人材育成なども手掛ける方針だ。
なお試案では、08年度から12年度までを都道府県医療費適正化計画の「第1期」とし、第1期計画終了年度の実施状況を踏まえて実績評価を行う。
政策目標の検証にあたっては、病床転換の推進などを目的とした財政支援の強化を打ち出す一方で、政策目標を上回った場合については、これまで全国一律だった診療報酬に「特例」を設け、一点単価を引き下げるなど罰則的な意味合いも込めた。同省の試算によると、財政効果は25年度で6兆円規模の医療給付費の抑制が図られる。
これをめぐっては、日本医師会や与党・自民党などから早くも反対の意見がみられており、年末に向けて議論する医療制度改革法案を策定する作業の中で、あらためて論議を呼びそうだ。
患者負担は現役世代と均衡
医療費適正化の短期的対策では、公的険の給付範囲の見直しとして、高齢者の患者負担の見直しを盛り込んだ。現役世代との負担の均衡を図る目的で、05年度から現役世代並みの所得のある高齢者の患者負担をこれまでの2割から3割に引き上げる。さらに08年度には、65歳〜69歳の患者負担を現在の3割から2割に引き下げる一方で、70歳〜74歳の患者負担を2割に引き上げる。75歳以上の後期高齢者については1割とする。そのほか療養病床に入院する高齢者の食費・居住費の負担を引き上げる。これにより同省は、25年度で1兆円規模の医療給付費の抑制を図る考え。
75歳以上の独立保険創設を提案
医療保険体制の見直しでは、新たな高齢者医療制度の創設として、75歳以上の高齢者を対象とした「後期高齢者医療制度」を創設する。運営主体は市町村。財源構成は、高齢者の保険料が1割、現役世代からの支援4割、公費5割となる。一方、65歳〜74歳の前期高齢者については、被用者保険との財政調整により国保の負担を軽減する。
政管健保は、国から独立した公法人を設立し、県単位で財政運営する。市町村国保は、都道府県単位での広域化を推進する。

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