都道府県から意見相次ぐ、権限強化を求める声も
「新しい医療計画の作成に向けた都道府県と国との懇談会」の3回目の会合が17日、厚生労働省内で開かれた。懇談会に出席した都道府県の担当者からは、基準病床数制度を維持するのであれば、政策医療などに病床を回せるよう、実際に使用してない病床を手放すインセンティブが必要との意見が相次いだ。医療費適正化のためには、病床数の再配分について都道府県の権限を強化すべきとの意見もあった。
静岡県健康福祉部の土居弘幸技監は「使われていない病床は、社会的資源の有効活用のためにも、必要な病院に回したい。しかし、既得権として手放さない」と現状を説明した上で、「機能していない病床を持っている病院は診療報酬を減算にするような検討も必要ではないか」と述べた。
広島県福祉保健部の堀益弘明医療対策室長も「救急などに病床を配分しようとしても法律的な壁がある。できるような法改正をお願いしたい」と要請した。東京都福祉保健局の梶山純一技監は「医療費を適正化するには病床数を減らす必要があるが、権限がない。都道府県に権限が必要ではないか」と指摘した。
こうした発言を受けて、厚労省医政局の谷口隆・指導課長は「三位一体改革の中で、都道府県が自主性を発揮できるような方向で進めたい。病床については召し上げるということはできないので、病院に認識してもらえるようなツールを検討したい」と答えた。
「目標数値は国で」
医療計画の中で示す指標についても話題となった。福岡県保健福祉部の天野義則・医療指導課長は「医療費適正化計画との整合性を考えると、甘い数値は許されない。国で何か目標とする数値を示してほしい」と述べた。
静岡県の土居技監も「例えば、全国平均の何%などと方針を示してほしい」と述べた上で、「どの指標がどういう意味を持つのか、新しい医療計画がスタートする2008年度までに学問的な評価手法を確立してほしい」と要請した。
さらに、高知県健康福祉部の田上豊資副部長は「指標の評価の仕方は難しいのではないか。分母が違うと、一概に比較はできない。指標と交付金の連動は慎重にしてほしい」と求めた。
谷口指導課長は「指標は努力を評価するためには必要。ただ交付金との連動は、アウトカム(結果)だけでなく、ストラクチャー(構造)とプロセス(過程)も勘案した上で決めることになる」と述べた。
医療計画モデル案を提示
厚生労働省は17日、08年度から全国一斉スタートする新しい医療計画のモデル(骨子案)をまとめ、「新しい医療計画の作成に向けた都道府県と国との懇談会」の中で示した。基準病床数など従来の項目に加えて、がんや脳卒中などの疾病ごと、救急やへき地など対策事業ごとの連携体制を地図などを使って明示することや、総治療期間などの指標を盛り込むことなどが記された。
基本的には、これまでの検討会で議論されてきたことを網羅した格好で、都道府県はこの医療計画モデルを参考にしながら、計画の策定作業を進めることになる。
同省はこの日、医療計画作成ガイドラインのたたき台もまとめた。病床数の量的な管理から、医療の安全・質を評価する医療計画へ見直すことや、住民・患者に分かりやすい内容にすること、数値目標を設定して達成度合いを評価することなどを、3つの重要な視点として明記した。

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