混合診療問題への対応策として、新たに保険診療との併用が認められることになった「必ずしも高度でない先進技術(先進医療)」。1日の初回受け付け開始から7月分の届け出期限の15日までに、特定医療法人愛仁会 高槻病院(大阪府高槻市、一般477床)など、少なくとも5施設が先進医療を届け出た。8月の届け出を予定している民間病院もあり、より高い技術を持つ病院の「証し」として、先進医療は大学病院以外の急性期病院に広がっていきそうだ。
高槻病院が先進医療として届け出たのは「盲腸ポート手術」。14日に書類を大阪社会保険事務局に提出した。
同手術は、これまでの治療では改善しない難治性の排便障害(便秘症、便失禁)に対する新しい治療法で、愛仁会国際顧問の木村健・米国アイオワ大名誉教授が日本に導入した。
特に脊髄損傷患者の排便障害の程度は重く、日常生活で大きな負担となっているが、この手術により計画的な排便管理が行え、生活の質を大幅に改善することができるという。脊損患者は30万から50万人といわれ、このうち10万人程度がこの手術適応とみている。また同院では、03年3月以降、全国から訪れた24人の患者に手術を行い、良好な成績を上げている。
同手術を担当する家永徹也副院長は「手術に対する抵抗感に加え、全額自費では費用負担も大きく、なかなか手術に踏み切れないようだ」と話し、先進医療に認められることで普及に弾みがつくと期待する。この技術自体、新制度の検討過程で名前があがっていたこともあり、早期届け出につながったようだ。
一方、先端医療の導入に積極的な医療法人医誠会 医誠会病院(大阪市東淀川区、一般327床)は、
(1)子宮筋腫の子宮動脈塞栓術(実績88例)
(2)前立腺がんの集束超音波治療(同22例)
― の2技術を8月に届け出る予定だ。さらに、進行がんの免疫細胞治療(03年9月〜05年6月延べ1041件)についても届け出の準備を進めている。
免疫細胞治療の内訳は、活性化自己リンパ球療法(腫瘍組織浸潤活性化リンパ球療法を含む)が952件、樹状細胞療法が71件、細胞障害性Tリンパ球移入療法が18件となっている。
井川澄人院長は「現在の保険診療の枠内だけでは患者の治療ニーズに応えきれない。自費であっても希望される患者がいる限り、治療方法の選択肢を増やすことが求められている」と話す。新制度に対しては「費用負担が軽減され、治療を受ける意思のある患者に朗報」と歓迎している。
費用負担軽減で「朗報」
両病院に共通するのは、先進医療に認められれば患者の費用負担を軽減できるという期待だ。盲腸ポート手術の場合、患者負担は「現行の約半分の25万円程度」(高槻病院)になると見込んでいる。
医誠会病院では、子宮筋腫の子宮動脈塞栓術と前立腺がんの集束超音波治療は、現行より1割前後の負担減になると予測している。進行がんの免疫細胞治療は主に外来で行われるが、特に入院やほかの治療法と併用する場合に費用軽減効果が期待されるという。
ある技術を先進医療として初めて実施する場合、先進専門家会議による安全性などの審査を経て、厚生労働相が実施の最終結論を下す。7月分の届け出については、遅くとも10月中旬に結論が出されることになっている。

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